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食べすぎてしまう女たち―「愛」の依存症
食べすぎてしまう女たち―「愛」の依存症


私は過食症だった頃、一度この本を読んでいます。
著者ジェニーン・ロスの別の本「食べ過ぎることの意味―過食症からの解放 」が
とても素晴らしい本だと思ったからです。
「食べ過ぎることの意味」はぼろぼろになるまで読み、
すでに鉛筆で引いた線でびっしりになっていました。
ジェニーンの他の本も読んでみたくなり見つけたのがこの「食べすぎてしまう女たち」です。

そのとき読んで思ったこと。
ジェニーンの言葉、考え方はやはりとても素晴らしいけれど
この本は私が今求めているものとは書いてある内容が少しずれている、
と感じたのです。
多くは傷ついた幼児体験にページを割いてあるように感じました。
私は過ぎし日の心の傷のことよりも、目の前にある食べ物のことで頭がいっぱいだったのです。
この本は図書館に返し、自分で購入することはありませんでした。

そうして、私は過食症から回復し、再び図書館でこの本に出会いました。
借りて、もう一度読んでみました。
二回立て続けに読み、A4サイズの白紙に抜書きしたメモは14枚にもなりました。

この本はジェニーン自身、過食症から回復した後で
「食生活を改善した際に解決できたと思っていた問題」
にもう一度直面した経験をもとに綴られたものです。

私も同じ事を感じていました。
私が解決できたのは単に「食べ物問題」だけで、
実際は生活の様々な場面で過食症の時に演じたのと全く同じドラマを
未だに行っているということを。
例えば仕事の問題、例えば愛の問題など。

ジェニーンは真剣なパートナーと出会いますが、
彼と一緒にいる間自分が子供に戻ってしまったような気持ちに始終襲われます。
完璧な愛を求めます。
幼い頃両親がしてくれなかったこと全てをしてもらいたいと望みます。
自分が理想とするような愛情を持つように彼をコントロールしたいと思います。
関心を引くために必死にドラマを作ろうとします。
置き去りにされると彼は二度と戻ってこないと感じ、しがみつき、あるいは心を閉ざそうとします。

摂食障害の分野のセラピストとして活動をしているジェニーンは
自らが直面している「愛情」の問題と
過食者たちが悩む「食べ物」の問題が
全く同じ構造をしていることに気づきます。

この本は今食べ物問題に悩む人々の心と
食べ物の問題を解決した後で悩むジェニーンの心を
シンクロさせる形で書いてあります。
舞台は時に「食べ物」であり、
時に「食べ物」を超えてもっと深く人生に広がります。
おそらく摂食障害について語る本の中で
もっとも視野の広いものの中の一冊です。

七章「二人の関係のために道を開く」から、
印象的なエピソードをひとつご紹介します。

ジェニーンはこの著書の中でかつて母親に虐待された多くの思い出を書いています。
(その母親は現在は新しいパートナーと新しい生活を築いており、
その暮らしぶりも穏やかになったことをジェニーンは喜んでいます。)
過去の出来事について書かれたこの本が出版されるにあたり、
ジェニーンは母親の現在のパートナーから呼び出され抗議を受けるのです。

「書きたければ書けばいい、そしてその後それを燃やせばいい。」
「我々はすでに別の人生をはじめているんだ。
現在の生活があるのだから昔のことを蒸し返すべきではない」
「そんなことをすれば母の心はズタズタになるだろう」

ジェニーンは傷つき、抵抗できなかった子供時代を猛烈に思い出し、
自分の身を守れないと感じます。
そして自分の苦痛は彼の責任に思えて彼を傷つけ返したいと願うようになります。
毎日毎日、ジェニーンはそのことについて考えます。

そしてその感情に「怒り」と名づけ、それを感じ、怒り狂い、
それが自然に消えていくのに任せました。
そうしてジェニーンは静かな心で、
母親の幸福に責任を持つのを止め、母親が自分で作り出したとも言える傷から
母親を守ることをやめる決意をします。
母親の苦痛について自分を責めることから逃れることによって、
自分のことについて母親を責めるのをやめます。
ジェニーンはいつまでも「被害者」でいるのではなく、
傷を感じ癒すことによって母親と新しい関係のために道を開くことを選んだのです。

ジェニーンは言います


怒ることは、癒しにとって決定的に重要です。(--中略--)自分自身を守ること、許せることと許せないこととをはっきり分けること、自分の感情を尊重してくれない人との関係にこだわる必要はないと知ること、他人を非難することなく、自分の心の傷や怒りを表現することもなども、同じように重要です。

***

「食べすぎていう女たち」目次

1食べ物に愛を求める女たち
2愛し合うことが不安になるとき
3もし痩せれば、人生は劇的に変化するのか
4禁じられたものへの欲求が
5あなたの中に二人の違う人物がいる
6悲しみの後に何が訪れるのか
7二人の関係のために道を開く
8何が正しい、何が悪いということはない
9「求めている愛」が本当の愛になるとき

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