美の理想
「全ての少女や女性が、モード雑誌のカバー写真のなかで幸福そうに美しく輝いていて、おおいに羨ましがられている美女たちの素顔を個人的に知ることができれば良いのだが。化粧もせず、着飾ることもなく、痩せて、青白く、フラストレーションのたまった、摂食障害に悩み、飢えて、吐き、惨めで孤独なモデルの姿を。
(--中略--)
若い女性の『美の理想』を知らしめるのに、これはきっと役に立つだろう」
「達成し得ない美を眺めていれば、現実のボディは無価値になる。現実のボディに触れれば、欠陥はあらわになり、それに触れるのはますます嫌になる」
「モード写真を見て、あらゆる細部に手が加えられているかもしれないと考える人はまれである。
それらの写真が実際の人物のほんとうの姿だと思い込まない限りは、美しい写真を眺めるのはひどくわくわくすることかもしれない。
モデルが私たちよりもずっと美しく完璧に見えるのは、職業柄当然である。
最終的に私たちがモデルを目にするまでには、彼女たちはメイクアップ係、スタイリスト、美容師らによってしたごしらえされ、プロのモードのカメラマンがプロフェッショナルに照明の施されたスタジオで完璧に調整された背景のもとでとても数え切れないほどシャッターを切り、修正係がそれらの写真に手を加えるからである。
私たちがそこまで自覚していれば、騙されることはない」
「子供のようにつるつるで無駄毛がなく、少年のように脂肪がなく、まっすぐ、
男のように大きく、若い少女の小さくて堅い乳房と引き締まった男性的な臀部をもつ女性。
この矛盾を一身に体現するような女性は、そもそもありえない。」
「美をめぐる神話は、私たちが理想と現実がいかに遠くかけ離れているかに気づかないことで、その命を養っているのだ」
「女性誌の大部分から判断するならば、女性のボディはつねに惨めで、修復が必要とされる。
何ひとつ適切なものはない。
雑誌のどの号においても、あなたのボディはひどい、対策が必要だといわれる。」
「ボディは最終的には女性の敵となり、美しいボディという理想は固定観念となり、強迫観念となる」
「たしかに『私は太りすぎている』と言うのは、『間違った男性と結婚してしまった』とか『私は不幸だ』とか『仕事でいい待遇を受けていない』あるいは『私は孤独でさびしい』と言うよりは簡単である。」
「自分自身のボディに満足していない女性は、それによって世界とのかかわりにおいて絶望していることを表現しているのだ」
※ヴァルトラウト・ポッシュ著「なぜそんなに痩せたいの?―「美人」になりたい女の社会心理学 」より要約
「なぜそんなに痩せたいの?」関連記事一覧
→1 美人の文化史
→2 美人の社会心理学
→3 美しいボディの創造
→4 美人をめぐる神話
→5 私の感想
→美の理想
→低カロリー食品では痩せない理由

