ブリジット・ジョーンズの日記
すでに有名になりすぎちゃってるけど、この本凄く面白いと思う
ブリジット・ジョーンズ--三十代、会社勤務、結婚歴なし。
1、あと3.1キロ体重を減らし、
2、タバコをやめ、
3、内面の安定をはかりさえすれば、
悩みは全て解決されると信じて疑わない
どういうわけだかこの至って平凡な悩みのリストを見ただけで
この人物がとっても魅力的に思えてくる
こういうよくある悩みを隠さない勇気って
実際それだけ十分魅力なんじゃないかと思う
黙っていれば、
こんなに高尚とは言い難い悩みばかり抱えてて
この程度の目標達成もできないのは自分だけだって気になるけど
声を出して言ってしまえば、誰でもが
「実は、私も・・・」といい始めるような生活
そういうものを笑って語って悲劇に酔わないバランス感覚
みたいなところに私は凄く感動する
現代的キャリアウーマン(ただし先は見えない)として
絶対に体重の減らない万年ダイエッターとして
くだらない男との縁をなかなか切れない弱気なヒトリモノとして
ブリジットは時代に沿った本当に良い考察を沢山している
賢人なら、ダニエルはありのままの君が好きなはずだ、というだろうけど、わたしはあいにく「コスモポリタン」文化の子ども。 スーパーモデルと多すぎるクイズ番組に劣等感をいいように刺激され、自然にまかせといたんじゃ、自分の人格も肉体もあるべき水準に達しないと思い込んでいるくちだ。 ああ、プレッシャーに耐え切れない。
三月六日月曜日 体重56.2キロ (とてもとてもすばらしい。--ダイエットの秘訣は体重をはからないことだということがわかった)
「元気ないみたいだったから。みんなでいっていたんだ、いつものきみじゃなかったって。」 「そんなことは無いわ元気だったわよ。あなた見たでしょ、あたしがすっかりやせたの。」沈黙。 「トム?」 「ぼくは前のきみのほうがすてきだと思うけどな、ハニー」 むなしい、混乱してる--なんか足の下からいきなり絨毯を引き抜かれたみたいな感じ。 18年が--無駄に終わった。 カロリーと脂肪を計算して過ごした18年。 ロングスカートとジャンパースカートを買い、親密な状況のもとでは、お尻を見られないようにうしろむきでトイレに行った十八年。 数百万個のチーズケーキとティラミス、数千万切れのエメンタール・チーズを食べずに過ごした18年。 闘いと犠牲と努力の十八年。 --あれはいったいなんのためだったのだろう。 十八年、その結果が「疲れた顔して元気がなかった」だなんて。 生涯を賭けた研究がまったくの間違いであったことに気づいた科学者みたいな気分だ。
「1000(カロリー)?」と、信じられないという顔でトムがいった。 「だけど、生きるだけでも2000カロリーは必要なんだと思ってたけどな」 わたしは当惑して彼を見つめた。 あまり長いことダイエットをしてきたために、生きるためにカロリーが必要だ、という考え方が意識のなかからすっぽりと抜け落ちていたことに気づいたのだ。 いつのまにかわたしは、栄養学的な理想は何も食べないこと、なのに人間が食べる理由はたったひとつ、あまりにもがつがつしているので、せっかくのダイエットから逃げ出し、それまでの努力を何もかもおじゃんにしたいと思う自分を止められないからだ、と思うところまでいってしまっていた。


