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「痩せ方はあなたの”脳”にきめさせる」

この文句は、マリ・クレール六月号のダイエットスペシャルの見出しです。

marie claire (マリ・クレール) 2007年 06月号 [雑誌]
marie claire (マリ・クレール) 2007年 06月号 [雑誌]

実は私、痩身崇拝は自分を不幸にすると思ったあたりから
女性誌という情報からは意識的に遠ざかっていたし、
もともと読むほうでもなかったので、今まで買ったことなかったのですが、
今回はこの記事を読むために初めて買いました。
マリ・クレール・デビュー。

脳がハッピーになると女は美しくなる。だからダイエットに必要なのは
カロリー計算ではなく幸せ感なのだ、とこの記事は言います。
似非科学チックな聞き捨てならない言葉が沢山出てはくるものの、
まあ、ここまでの大筋はわかります。

「輝く体には理由がある!あのセレブに倣う、プラネット・ボディの作り方とは?」

という見出しつきで全身写真入りで掲載されているの七人の女性たちは、
土屋アンナ、SHIHO、神田うの、山田優、篠原涼子、知花くらら、道端ジェシカ。
(実は私このうち二人しか知らなかったんですけど、えへ)

彼女たちは皆日常的に気持ちよく体を動かす習慣があって、
それによって幸福感を感じるため、脳が良いバランスに保たれている。
その結果美しいボディが作り上げられているのだ!という解説が入っています。

さて倣うべき模範として挙げられている女性たちは
何を犠牲にしても、まず要求される美を自在に体現できる存在であることが最優先される世界に生きる人たちであり、おそらくその世界のトップ七人ですよね。
今痩せていることが流行しているから彼女たちは痩せているのであって、
もし流行のボディサイズがもっと大きくなったら
彼女たちはそれにあわせて太らなければならないでしょう。
流行という舞台で美を売る彼女たちが、
ただ脳のバランスが良いからというだけで
偶然痩せている、なんてことがあるんでしょうか。

そもそも私たちに必要なのは「生きるための美」であって
ショービジネスの世界の「見せるための美」、
いわば「お伽話としての美」とは
まったく違うのじゃないかと思うんですが、
なぜ私たちが彼女たちに倣うのでしょうか。
あの、大胆なドレスを着るための身体、
強烈なライトに照らされるための身体、
遠くから大勢の人に見られるための身体、
人を魅了するために動くための身体、
あの観賞用の身体を手にして、私たちが一体何をするんでしょうか。

女性の身体というのは通常お尻と腰まわりに脂肪がつきます。
だからマリ・クレールが推奨する「セレブたち」は
標準的な女性の身体とはいえないでしょう。
脳がハッピーになったからといって、
そういう遺伝子的に決まっている身体つきまでが果たして変わるでしょうか?

そしてさらにこの記事の中の小見出しの中の文言はこうあります。

「美ボディとハッピー脳は比例する!」

・・・大いに意義があります。
なぜなら、「ボディの見た目」と「ハッピー」を結びつける発想には
ハッピーなら痩せているはずだという暗示、
痩せているならハッピーなはずだという暗示、
痩せればハッピーになるという暗示、
が感じられるからです。
そして、これはマリ・クレールの推奨するようなモデルや女優に近いボディを持っていない人(この世に生きる女性の大部分)に、
不安感、自己嫌悪、罪悪感を押し付けるようにも思えるからです。

私が神田うのみたいじゃないからといって「脳がハッピーじゃない」なんて
言われる筋合いは全然ありません。

実は今回のダイエット特集の中には
前にこのサイトで紹介した「ダイエットやめたらヤセちゃった―アンチダイエット・スリミングの魔法 」の紹介があり、
そのご縁でこの記事について知ったのです。
私は「ダイエットをやめたらヤセちゃった」は興味深い本だと思います。
でもマリ・クレールには賛成できません。

女性は痩せるために幸せになるんじゃありません。
見られるために生きるんじゃありません。
他の誰かみたいになるために自分を変えるんじゃありません。

生き生きと生きるために身体と心があるんだと、私は思います。

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» 「マリ・クレール」特集に見えた女性誌の限界の部分 from 夏目祭子のアンチダイエット・スリミングな生活
前回記事で、拙著『ダイエットやめたらヤセちゃった』を女性誌では初めて奇特にも取り上げてくれた「マリ・クレール」の特集企画についてご紹介しましたが、遅ればせ... [詳しくはこちら]

コメント

しあわせな女性はうつくしい、とは思います。ただ、それと、いまのモデルさんのスタイルは別の話ですよね。別に、体重100kgでも、多少ニキビがあっても、しあわせで美しい人はいると思うし、そういう意味で、「脳がハッピーになると女は美しくなる。」とは思うんですけど。
どうしても食べたいものは身体が知っているとわたしはどこかで思っていて、例えば、器質的に異常のない明らかな肥満とかは、そう、脳がハッピーになる生活(ジェニーン・ロスさんも書かれているような)で解消されると思うんですよ。でも、それで得られるのは、本人の身体にとっての適正体重であり、決して、BMI17とかの痩せすぎ体型じゃないと思うんですよね。いや、生来BMI17の人もいるんだろうとは思いますが、少なくとも全員じゃないだろうと。
ちなみに昭和50年代くらいのアイドルのみなさんは、いま思うと結構「ふつう」の体型してますよね。あれでよかったのになあ、なんて。

「美しい女」という言葉が実は二種類の意味があって、
「生き生きとして魅力的な女」を指す場合と
「流行の理想に合致する女」を指す場合と、あると思うんですけども、
その二つの意味の間の隙間が、なぜか巧妙に隠されてしまってるんですよね。
だから「痩せたい!」と言ってはみても、「何のために、どういう風に痩せたいか」というところが、その意味の隙間に落ちてしまう。
おっしゃるとおり、「幸せになったから栄養失調すれすれの低体重になる」ってことはまあないですよね。

私たちが「痩せすぎじゃない身体」をひっさげて臆すことなく魅力的に街を闊歩すればいいんですよね。そうすれば、アイドルだろうがモデルだろうが女性誌だろうが
みんなついてくるんじゃないかなあ、と。

先日、nokoさんに良いサイトを教えていただいて、私大変喜んでます。
どうもありがとうございます。

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