ビューティー・コロシアム
嫌な番組だな、と思いつつ
やってるとなんとなく見てしまうテレビ番組って時々ありませんか。
文句言うためにまじまじと見てるんだから好きなのかもしれないんですが
耐えられなくて最後まで見られないんだから嫌いなのかもしれないという
そういう番組がありまして
そういうものの中のひとつに
容姿に悩む素人の女の子をつれてきて
エステティシャンやら美容整形の医者やら
ヘアスタイリストやらなにやらかにやらのプロたちが
よってたかっていじくりまわして
雑誌のモデルそっくりに仕立てて、
変身ぶりをみんなで喜ぶという非常に無邪気な番組があります。
この間お風呂屋さんに行ってテレビをぼーっと見ていたらたまたまやっていて
「こんなのまだやってるんだなあ」と思いながら
文句言うためにじっと見てきました(暇人)
やってることそのものはとっても面白いんですけどね
今まで自分が思ってもなかったようなものを
超一流の腕で色々飾ってもらって
それで「へんしーん!」みたいな、ね
面白いですよね。
ヘアサロンに行ってセンスのよさそうな美容師さんに「おまかせで」
って言うときのワクワク感と一緒です
ああいうの凄く面白いですよね
でも、なんでこの番組は気分悪いのだろう
っていうのを私はやっぱり考えたくはなるんですよ
(好きな方ごめんなさいね。)
いやなのはね
女の子を写真使って「使用前」「使用後」で横に並べて
みんなが「おーっ!」というわざとらしい驚きの表情をするのを
毎回丹念に放送するんですよね。
それから変身前はどれほど悲惨な人生だったのかというのを
およそ敬意も何もないような表現の再現VTRで流した後で
今度は「綺麗になった」女の子に
「これからは自信を持って生きていきます」みたいなことを
勿体つけてわざわざ言わせたりとかね。
なぜ一人の人間が「使用前」と「使用後」で分断されてるんだ?
しかも「使用前」は「人権なし」?・・・バカニシトンノカ。
最初は質実剛健な格好をして出てくる女の子が
どういう風に変身させられるのか、
ってのがワンパターンなので面白いんですけども
ひらひらしたどうやって洗濯するのかよくわかんない服を着て
くしゅくしゅした、一見さりげなさそうな猛烈に手の込んだ髪をして
ライトの下ではよくわからないけれども、繊細な小技のいっぱい効いたメイクをして
エステでの食事指導による(おそらくリバウンド予定の)スリムな身体をして
「あんなにダサかったこの子がこんなにキレイになりました!」って。
見え見えの欺瞞をつつかないのが暗黙の了解なんですね。
「生活」ってのは自分で着る洋服なら洗濯方法も考えなきゃいけないっていうこととか、
雨の日も風の日も、毎日ふわふわしてくしゅくしゅした
さりげないボサボサヘアを守り通すというのはおよそ非現実的だってこととか、
見られることが商売じゃない以上は毎日一時間かけてメイクしてるわけにはいかないっていうこととか、
急激に減らした体重はダイエットと同じ時間をかけてまたもとに戻るってこととか、
そういうのは、目をそむけておいて
ライトがあたっている今だけお人形みたいなかわいらしさで
「これからは自信を持って生きていきます」って言わせて
「キレイになったねー、表情が明るいもんねー」って
喜んでりゃいいもんですかね。
たしかに手間隙お金かけてみんなに注目してもらう
ああいう変身がとっても楽しいワクワクすることだってのは事実です
みんなが自分に賞賛のまなざしを注いでいるとその瞬間は自信を持ちます。
芸術みたいなプロの技術を見るのも楽しいです。
あれが総力結集して完成された「キレイ」の一つの形だってこともわかります
でも、ところで
女性が「キレイ」に生きていくためには
「自分の身体と気楽につきあう」っていう選択肢は
まったくないのでしょうか
洗濯のことと雨風のことと低血圧のこととダイエット後の食生活のことを考えるような
女は最初から「キレイ」の権利もない?
え、女が生きるのってそんなに大変なんですか?
「自信を持って生きていきます」ってのは、ようするに
その身体で「自分が何をするか」ってことでしょう
そのふわふわドレスとさりげなヘアとバンビのまなざしとカモシカの身体を
守り通すためだけに生活のありったけの時間を使うのは
「自信を持って生きていく」とは言わんじゃろ。
実際は、
たまっていくしわくちゃの洗濯籠の中にため息つきながら
雨にも負けず風にも負けず雑用をこなし
化粧するかあと五分寝るかの葛藤を毎朝続け
落ち込んだときにはあと五キロやせたら何もかもうまくいくのに、と思い、
そういう生活の限界の中で「何をやるか」ってのが
自信をつけたり失ったりするってことでしょう。
自信の根源は、そのバンビのうるうる目じゃない!!
っていうことから、
みんなあまりにもそらぞらしく目をそらしていくることに怒りを覚えまして
怒りながら見るのが好きなんですかね、私。あは。
(ところで私今年で30になりますが、
未だにまともにメイクしたことがありません。
だってしなくても綺麗なんだもん。
・・・・。
顔見えないのを良いことに嘘つきました。すいません。
化粧品の匂いで頭痛がするんです。気楽です。
素肌に風が吹き付けるのって気持ちいいよー。
「気持ちいい」ってのは充分「キレイ」のバリエーションの一つだと思う私。)


コメント
こんにちは。
少しお元気になったみたいで良かったです。
一番したいことは引越しなんです。
でも、怖い気もした。
でもやっぱりしたいんです。
母に止められています。
今はまだ早いんじゃないって。
まだいっぱい食べてる時あるじゃないって。
それに占いも悪いらしいです。(苦笑
だからあと一年待ちなさいって
言われてかなりへこんでます。
だってここにいるの嫌なんだよ!!!!って何度言った事か・・・
また一人暮らししたら摂食障害になるんじゃないかって
心配みたいです
自分としてはこれから過食することがあってもそれは
自分への応援になると思ってるんです。
過食じゃなくやけ食いっていうか
問題を越える為に必要だから食う!!みたいな。
ここでこんな個人的なことまで相談して大丈夫ですか??
いつもありがとうございます。
投稿者: みや | 2007年06月14日 17:27
私が何か言っていいもんだとしたら
そりゃ出てみたらいいでしょう、ってやっぱり思うよね。
「摂食障害を悪化させない」ことよりも
「摂食障害が悪くなる可能性があったけどやりたいことやってみた」
ってことの方がはるかに価値あるよね。
一人暮らししてみて思ったようにいかないんだったら
そのとき「試してみたけどうまくいかなかった」って
もう一回方向修正すればいいんだしね。
「”うまくいかないかもしれないこと”をやってみてもいいんだ」
っていうのを体験的に理解していくのは絶対にプラスになるって、
単純に私は思う。
お母様の気持ちはわかるし、ありがたいものだろうな、とは思うけども^^。
投稿者: ノラ@管理人 | 2007年06月14日 19:49
「駄目かもしれないけれど、とにかくやってみる、それで、上手くいかなかったら、その時に修正していく。」
修正って、出来るんですよね・・・・。今まで、石橋を何度も何度も叩いて、壊して、進めなくて、結局同じことの繰り返し・・・・。
やってみる事に大切な意味があって、それは決して無駄にはならないんですよね・・・・
投稿者: 金木犀 | 2007年06月15日 08:22
わたしもビューティーコロシアム嫌いです。
ただ、嫌いなところが違います。
整形とかエステは個人のことなので、しっちゃこっちゃないですが、
「顔が不細工でいじめられて…」
「太ってるのがいやで」
ってそこで終わって、その人が何もしない人なのが観ていて、
すごくその人として嫌いです。
(そういう作り方なのはわかってみてるんですけどね、いっしょですね)
「自分が嫌い」
だったらなにかこうどうしてみよう、とか
あとは、これ。自分を好きになろうよ、
って思っちゃって。
うーん、うまくかけないけれど、そういう女の子の外見へのコンプレックス助長させる感じが嫌いです。
細くて可愛くなきゃ女じゃないと思ってるバカ男がいるからまたきらいです。
ちなみに私はノラさんご存知のようにメイク好きだし、ファッション好きなので、
朝は前の日2時3時まで起きてても
コーディネイトがうまくいかないので30分、メイクに最低でも30分、
とってました。
好きでやってるのでコレは自分が楽しくなる、幸せに一日を過ごすための方法だったりします。
メイクや服装が気に入らないと一日がなんとなく冴えないんですよー(笑
投稿者: yui-520 | 2007年06月15日 12:30
金木犀さん
用心深い、というのは長所にもなりえますけれど
それに足をすくわれてしまうとただただ生活が萎縮してしまうんですよね。
ソローっていう、私の好きなナチュラリストがいるんですけども
彼は若干27歳でひとり山の中に入っていって好きなように暮らして
周囲から奇人変人無責任とか言われ、
税金払わなくて刑務所に入れられたりとか、
変わったことをたくさんやった面白い人なんですね。
それでこの人が「心配しても危険は減らない」って言ってるんです。
そうだよねー、やっても危険、やらなくても危険なら
せめてやりたいことくらいはやっておいたほうがいいよねー、
って、私もソローと同じ27歳の時に、やっぱりちょっと大きな決心をしました。
何か人には「自由になるためのタイミング」みたいなものがありそうな気がします。
投稿者: ノラ@管理人 | 2007年06月15日 12:49
yuiさん
ね、なんかやたら感じ悪いですよね、あの番組。
でも、たぶん男性じゃなくて女性が見てるんですよね(笑)
うん、「自分が嫌い」っていうことに関しては私なんかわかるんですよ。
なんだろ、「自分が好きになりにくい人」っているんじゃないですかね。
ほとんど先天的特質なんじゃないかってくらいの差で
らくらくと自分が好きになれる人と
自分が自分であることに物凄い葛藤を持ってしまう人とが、いる気がするんです。
で、大事なのは「自分が好きかどうか」ってよりも
「とにかくこれが”自分”であって、これと一生付き合っていくんだぞ」っていう
「受け入れ」の方なのかな、って、今のところ私は思っているんですけどね。
メイク、何時間でもやってられる、っていう人もいますよね。
私なんかひげ剃らない分だけ男よりも身支度早いですからね(笑)
yuiさんみたいに好きでやってる人は、化粧することが
自分を高く評価したり、自分を好きになったり、ということに役立つので
それはとっても素敵なことだと思います。
なんであの番組はそういう
「メイク楽しい、私きれい、きれいは嬉しい」っていう
もっと素直に共感持てる路線に持っていけないのか、ってのも不思議ですよね。
投稿者: ノラ@管理人 | 2007年06月15日 12:58
>「とにかくこれが”自分”であって、これと一生付き合っていくんだぞ」っていう
>「受け入れ」の方なのかな、って、今のところ私は思っているんですけどね。
確かに。
過食して太った体を受け入れなかったときは、さらに過食もしていたけれど、
諦めて「これがわたしだから」って「受け入れた」ときに初めて過食が止まりました。
そして自然と運動したり、食事が減って、一ヶ月で6キロ減ったかな?
最後の3行には同感です。
きっと女性の醜い「自分より劣っている人を見て、自分を安心させる」気持ちや、私たちみたいに「いやだけど見てしまう」人がいるからああいう番組構成なんでしょうね。
ゴールデンタイムにあんな女性蔑視の番組が流れているの、思春期の子供たちが観たら傷つく子多いだろうな。
投稿者: yui-520 | 2007年06月16日 12:24
yuiさん
ねえ、単純にメイクとか、「今年はこの色が来ますよ」とか
それだけ取ると結構楽しいんですけどね。
変身願望ってのも基本的にはみんなあるだろうから
「こんなだった人がこんなになりました。」「おーっ」とかね
そこだけ見ると、楽しいんですよ。
うん、でも女性蔑視、ですよね、確かに。
賛否両論随分あるでしょうに、息の長い番組ですね。
投稿者: ノラ@管理人 | 2007年06月16日 18:03
邪推はいくらでも出来るだろうし、突っ込む気になればいくらでも否定は出来ると思います。
適度な鵜呑みも必要ではないでしょうかね。
「綺麗になって幸せになりました」って人もおると思いますよ。
それに対して「綺麗になって良かったね。」
って善意のある解釈も良いもんだと思います。
外見さえ良くなれば自信が持てると訴えて、
良くなれる機会があるならば、それに挑戦して、
その後、どうなるかはその人次第と思うんですよ。
変化をきっかけに人生を変えていく人もおるでしょうし、
外的な変化には呼応できず、
内面は変化を遂げられなかった人は、
綺麗になっても影の部分に執着しているだろうし。
薄毛で悩む人が、増毛してサークルや社会活動に積極的になる例だってたくさんあるでしょうね。
リー○21のCMでやっている
「発毛コンテスト」って何を競うのか???
毛の量を競うのか?金額を競うのか?
前と後の変わりぶりを競うのか?
それが一番の問題だ。
投稿者: guest | 2007年06月17日 08:24
「綺麗になって幸せになりました」という人の存在を否定しているのではないですよ。
以前もコメントで書かせていただきましたが、
私は誰かの価値観を否定するためにこのサイトを運営しているのではありません。
美というプレッシャーからくる苦しみについて
女性が口を閉ざしてきたことが摂食障害の流行の原因のひとつであるというふうに
私はとらえているので、そういった視点からの意見を言っただけです。
投稿者: ノラ@管理人 | 2007年06月17日 11:51
すみません。
刺激してしまったようですね。
文章を読んで受けた印象が否定的だったんですよ。
それは、ハッキリと
「私は○○を否定します。」って書かれたもんじゃない。
非言語的な表現から受けた印象です。
否定の証拠はどこにもない。
ですから、「否定するためにサイトをやってるんじゃない」
と言われれば、「はい。そうですか。すみません。」
としか言えません。
でも、人柄や人の考えってそんな風に
感覚で理解されるのではないでしょうか?
投稿者: guest | 2007年06月19日 07:43
>刺激してしまったようですね。
殆ど野生動物ですね^^
私が批判しているのは
美というものをきわめて狭い範囲に限定して
「その範囲に適合しさえすれば今よりずっと幸せになれる」という
プロパガンダを垂れ流す文化的、産業的背景に対してです。
ですが、同時に、その限定された価値観の中で、
今実際に生きる場所を見出している女性たちに対しては
その価値観を尊重していたいと思っています。
それが一見矛盾を含んだ態度であるように見えやすいことはわかりますし、
一般論としては理解されがたい部分も多く含むかとは思いますが、
とにかくそれが今現在の私の姿勢です。
>でも、人柄や人の考えってそんな風に
>感覚で理解されるのではないでしょうか?
コミュニケーションにはたしかに非言語的なものを多く含むと思います。
でも失敗したコミュニケーション、うまく伝わらなかったメッセージについては
言語的コミュニケーションによってしか修正できないだろうというふうに思っています。
投稿者: ノラ@管理人 | 2007年06月19日 12:36
最近読書を進められたんですけど・・・今は食べ物の事で24時間ほぼ頭がいっぱい、心身とも1日過ごすだけで精一杯なので無理、と思うけれど脳内リニューアルするには良いかな?と思ったんです。でも興味がないと読書なんて何年もやってないのでやっぱこの病気についての本がいいなと思ってここでイロイロ見せてもらってるのですが過食嘔吐の私にはどれがいいのかな?
投稿者: 怜 | 2007年06月22日 08:53
怜さんはじめまして
怜さんがどういったものを読みたいのかがわからないので
過食嘔吐、というだけで「これ」とおすすめするのは難しいですが
私が個人的に最も好きなのはジェニーン・ロスの「食べ過ぎることの意味」です。
読みやすいし、内容も文章も非常によいと思っています。
http://nora.ddsystems.info/antidiet/present.html
↑のプレゼント企画で、ジェニーン・ロスを含めて
三冊無料で取り寄せることができますからよろしければとりあえず取り寄せてみて、
パラパラめくってみてはいかがでしょうか。
投稿者: ノラ@管理人 | 2007年06月22日 13:32
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