キレイな方が女は生きやすい? (「美人画報ハイパー」より)
読んでみました。
私ね、
化粧したこと無いし
顔は水で洗うし
銭湯行くときは手ぬぐいと固形石鹸しかもっていかないし(神田川?)
ヒールもブーツも履いたことないし
スカートも(ほぼ)履いたことないし
ようするに、こういう本読んでも
出てくる名詞がほぼ理解できない人なんですけども
いや、面白かったですよ。
お化粧する女の子ってたいてい化粧ポーチっていうのを大切に持ってるじゃないですか
小さい可愛いケースの中に
細々した色々な色と形の瓶とか容器とかいろいろいっぱい入っていて
他人には何につかうのかまったくわからないそういうのを
非常に独特のこだわりを持って大事にしている、
というあの世界が好きなんですよ
楽しそうだなあ、と思って
細々と好きなものを一杯持っていて大事にする、
という風景を見てるのが好きなんですよね。
この本はそういう楽しさありました。
殆ど、ドールハウスとか、何かのコレクションをみて
「楽しい」と思うのと同じ感覚なんですが。
どこのクリームとか、マスカラとか、とかね、
もうぜんぜんわからない固有名詞が大切そうに続いていく独特の楽しさね
ただ、それだけでもないですよね
作者さんは美というものに対する意識の非常に強い人なんですけども
それは当然、苦いもの痛いもの、建前、本音、色々含んでおりまして
ちょっと、そいうところだけ、選んでつなげてみますね。
(全編私が引用した文章みたいなのばかりじゃないですからね。
普通に、コスメの好きな女性の楽しみ、とか、お風呂、エステ、
お花、着物、建築、インテリアとか、楽しい話いっぱい入ってますよ。)
非常に興味引かれた一文は
「美人画報ハイパー」のあとがきからです
思えばもともとは「キレイになろう」とか考えたことのない人間だった私。
平均的だったからのん気なものです。
それが漫画家として忙しくなった24歳の頃、太って激変したのです。
この連載をはじめた頃にはスッカリ自分と「キレイ」を切り離して考えるようになっていました。
つーか「ブスでいい」ぐらい思うようになっていました。
仕事は楽しく、自信もついて来た頃でした。
逆に言うと、仕事できてりゃ文句ねぇだろ!!というおそろしい人になっていました。
そんなおそろしい人の私を、恐ろしい事態がおそったのは、マックスに太った年の冬。
男性誌のパーティーに行った時のことです。
マンガというのは、過酷な商売。
男性作家のみなさんも、編集さんたちもこんな時くらいカワイーお姉ちゃんと話したいわけです。
仕事はちゃんとやってたつもりでも、美しくなければまったく価値を持たない世界へ丸腰で飛び込んでしまった私はガク然としました。誰も相手にしてくれない。
ここではマンガ描けても何の武器にもなりゃしないんだ
・・・あきらかにキャバ嬢(19)の方が私よりも上!!なぜならカワイイから!!
もちろん、日常にもどればそこだけが基準になるわけじゃありません。
でもそういう世界があること、そこでは今までやってた仕事より、女子力の方が重要であることに気づいたのが、そのあとの美容道へのスタートになったことは間違いありません。
女性は仕事できてもキレイじゃなければ駄目なんです!!
それ以来、この連載にも本気でも取り組み努力の日々。
今も信念は変わりません。
女子は仕事はできてもできなくてもいい。
キレイなほうがいい。
非常に素直な文章なので衝撃ですが。
この作者さんは、自分で本文中に書いていますが
「趣味を仕事」とすることができた稀有な人なんですよね。
しかもその仕事で、大変な成功をしています。
それがある日その業界内のパーティに行って
(だからつまり、そこに居る人たちは基本的に自分の成功について知っている、
という場所だと思うんですが)
そこで突然自らの外見と価値を受け入れられなくなるわけですよね。
なぜか突如
自分を「丸腰」であるように感じ
自分のことを「仕事できてりゃ文句ねぇだろ!!というおそろしい人」である、と感じ始めるわけで
「女性は仕事できてもキレイじゃなければ駄目なんです!!」という
これまでしてきた「過酷な仕事」を自ら否定するかのようなことを考えはじめるわけで。
えー、なんだろう。ってやっぱり思いますよね。
ある日突然、何が足りないような気がしたんだろう?
何が否定されたような気がしたんだろう?と。
本編の中にこんなことが書いてあります
なぜ人はキレイを目指すのか。
でもキレイな方が、女は生きやすいんだよね。
超仕事できてもブスvs仕事でできなくても美人
最終的にどっちが幸せかっつーと・・・。
やっぱキレイな方なんじゃナイかなと。
まー ケースバイケースなんだけど。
これ、読むと、普通の感覚で行くと
なんとなく言いたいことの意味はわかるけどちょっと極論じゃない?
っていう感じ、しませんか?
たぶん本人もケースバイケース、と書いてあるとおり
これは一般論として言っている、というよりも、
作者がある日しみじみとそんな気がした、ということであり
それが前出の「男性誌のパーティの日」なんじゃないかって
いう感じが私はしたんですけども、
突然自分が「生きやすくない」ような気がして
そしてキャバ嬢を見ると自分よりも「生きやすい」ような気がしたんじゃないかしら
(ちなみにこの美人画報ハイパーの中には「キレイになった安野モヨコさん」の
写真が出ているだけど、奇しくもキャバ嬢風の外見になっている)
ちなみにもうひとつ
旅では「男の人に守ってもらえる服装で」が正しい。 というか旅に限らず、生活のどのシーンにおいてもその基準は結局美しいのです。
おお、批難ごうごう受けそうな文章、よくぞ書かれました(笑)
でも、これはファッションというものの一面を上手に表現しているのかもしれないですよね
凄く細い身体で高いヒール履いて華奢な服を着て
床に落とした紙が拾えない長さの爪をしていれば
確かに庇護が必要な感じしますもんね。
(いや、それが全てって言ってるわけではないですよ。
そういう面もあるかもしれない、と言っております。)
さらにもうひとつ
だいたい、自分も働いて疲れているのに、働いて疲れた男を癒せますか?
彼だって安らぎが欲しい。
けれど、自分も安らぎたい。
ということも、モヨコさんは考えているのであります。
で、ここまでで私が好き勝手拾った引用文なのですけども、
つなげてしまって良いかしら。
自分にとって非常に向いている仕事を見つけ
それで苦労して成功し
仕事や収入や社会的生活の面においては安定した、
という段階にまで来たところで
なんとなく自分には何かが足りないような気になる、
疲れている、疲れているのにいつも癒す側であって、安らぎがない、
自分が庇護を必要としていることを外見でアピールできれば
安らげるのかな?
というような
あの、一応筋道としてそういう風に辿っていけなくもないなあ、って
考えながら読んだのですけども
最近ちょっと「社会的成功と摂食障害」というテーマについて
このサイトで取り上げていたので
「美人画報ハイパー」を手がかりに試みに考えてみました。いかがでしょう。
※みやさん。参考文献ご提供ありがとうございます。切に感謝。
「美人画報」関連記事
→モヨコ・ワールド考
→キレイな方が女は生きやすい?
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コメント
うーむ
安野さんは 極論はそこなんですね
要は 美人は特!?みたいな感じかな
あたしも やっぱり きれいなほうがいいなぁって思う人間だけど
外見だけ いっぱい着飾って化粧しても
人と人として 誰かと向き合う時って
外見を剥がさなくちゃならないでしょう?
だから
大切なのは中身であるのかなって感じるかなぁ
だけど おしゃれも好きだし
バスタイムも大好きですよ
他人からどう見られるかって感じよりも その服をきて
自分がどう感じるのが大切なような気がするこの頃です
投稿者: すみれ | 2007年08月13日 11:54
確かに、キレイというか、さわやかでかわいらしくしているとイイコトが多い気がします。
外見・内面含めて。
人懐っこい犬がそこにいるだけで癒されるように、そういう存在でいることが何かを周囲に与えるんだと思います。
要するに、思いやりとか、仕事ができるとか、周囲を楽しませるのが上手とか、頼りになるとか、
他人のために役に立とうとした時に、素敵な自分でいることも選択肢の一つという感じでしょうか。
投稿者: moomi | 2007年08月13日 13:31
すみれさん
>他人からどう見られるかって感じよりも その服をきて
>自分がどう感じるのが大切なような気がするこの頃です
私もそんな気がするんですよねえ。
安野モヨコさんは逆に「見られる」ことを重要視しますね。
そこでモテるかどうか、というのが、ひとつの目安になっているのも
なかなか興味深くて面白い。
まだまだ読書中なので気が向いたら安野ワールドを
引き続きもう少し検証してみようかな、
と思っております。
賛成できるにしろ、できないにしろ、やっぱりこの人面白いと思うなあ。
投稿者: ノラ | 2007年08月13日 14:46
moomiさん
なるほど、色々な考えの人が居ますね。
私なんかだと、
キレイにして人に癒しを与えるとその見返りとしてイイコトがある、
ってなると本当に愛玩犬みたいになっちゃう、っていうのか、
一人の人として何を感じ何を選ぶか、ということを考えたときに
そこに葛藤は起こってこないのかなあ、っていうようなことを
結構考えてしまうんですね
でもそういうのって、割合葛藤なく、すっと馴染んでいける人も
いるのかもしれませんね。
思えば私も摂食障害にならなければ
あまりそういうことは考えなかったのじゃないかって気もしますし。
投稿者: ノラ | 2007年08月13日 14:48