HOME摂食障害の本などのご紹介>ヒガミ、ネタミ、ソネミ (「ルンルンを買っておうちへ帰ろう」より)

ルンルンを買っておうちに帰ろう
ルンルンを買っておうちへ帰ろう

まえがきからして、
「この人おもしれぇ」と思って涙ぐんだりするんですけどね(泣くなよ)。

泣けるまえがきを引用

ところで、今回私がこういった本をかくことになったのは、ひがむ一方だった女からの反撃なのである。 だいたいね、女が書くエッセイ(特に若いの)とか、評論っぽい作文に本音が書かれていたことがあるだろうか。
「朝、真っ白いシーツにくるまれたベッドで目をさまして、ミルクを飲んで、男にあいにカフェ・テラスに行く」式のああいうもんに、はたして真実はあっただろうか。
男にふられて泣いてどうした、とかいろいろ書かれているけれど、なにをどうやってもやたらファッショナブルなのよね。
彼女たちはその本の中ではやたらパンツ脱いで男と寝ちゃうけれど、文章を書くということにおいては、毛糸のズロースを三枚重ねてはいている感じ。
なにをこわがっているんだろう。
なにをおそれているんだろう。
若い女がもっているものなんてタカがしれているじゃないか、と私はいいたい。
ヒガミ、ネタミ、ソネミ、この三つを彼女たちは絶対に描こうとしないけれど、それがそんなにカッコ悪いもんかよ、エ!

私が泣いた文章はもちろん、ここです。
「若い女がもっているものなんてタカがしれているじゃないか、と私はいいたい。
ヒガミ、ネタミ、ソネミ、この三つを彼女たちは絶対に描こうとしないけれど、それがそんなにカッコ悪いもんかよ、エ!」

若くなくたって、大量出版物やら垂れ流し映像やらによって作り上げられてしまった
「無敵の素敵な人生」の神話に比べれば、
本当に身体ひとつで暮らしている人間の持ってるもんなんか、どうせタカが知れてる。
(・・・んだろうと私は思う。私自身が未だに何も持っていない若い(?)女の部類だから、
私の全く知らない無敵のゴージャスな世界が存在する、って可能性も、まああるけど。)

気に入ったので三度まで引用
「ヒガミ、ネタミ、ソネミ、この三つを彼女たちは絶対に描こうとしないけれど、それがそんなにカッコ悪いもんかよ、エ!」
だけど、ヒガミ、ネタミ、ソネミを言うのは勇気がいる。
それは「カッコ悪いから」ってよりも、
やっぱり、それは自分の一番傷つきやすい部分に何よりも直接関わっているからだ。

みんながわざわざヒガミ、ネタミ、ソネミを言うよりも
できるだけきれいなところに自分を置いておこうという努力をすることの方が好きなのは
「傷つきやすい部分を防衛してしまいたいからだ」って思う
だってそうでないと、本当に生きることは大変だ

すれ違う同じ年恰好の女性に対して「私の方があれよりずっと足が細いワ、勝った」
というふうに思ってるとして、
さらに「あんたそんなに太い足してそんな短いスカート穿くんじゃないわヨ」
とまで思っているとして、
私が思うに、それは思っている人がゴーマンであることを示しているのではなくて
彼女自身が「いつもそういう目線で眺められている気がする」ということの
痛みの再現なのであって、
彼女がそんなことをつい考えてしまう自分を「嫌なやつだ」と思って無意識に責めるのは
自分に厳しすぎるんじゃないか、って思う
人はどこかで苦しみを表現していかなければならない。

マリコさんは(←友達?)「それがそんなにカッコ悪いもんかよ、エ!」
というふうに啖呵切っていらっしゃる通り、
「ヒガミ、ネタミ、ソネミ」が無い、ってことは
「私は持っているものに満足して人の物をうらやんだりしない幸福に恵まれた人です」
ということを表しているわけではなくて、
たぶん、相当上手に自己防衛している、ということを表しているだけだ

でも、そういう自己防衛のための伝説を信じた人は大変な思いをする。
この世の素敵な人ってのは全員
「私は持っているものに満足して人の物をうらやんだりしない幸福に恵まれた人です」
という生き方をしてるもんだとうっかり信じてしまって
とても素直にそれを再現しようとする方にとってみては
その伝説はとっても苦しいものなのだ
人前では軽く食べて、家に帰ってから一人で過食をするのも苦しい
街中ですれ違う人ごとに「デブ」と思ってしまう自分を最低だと思うことも苦しい
どうして自分だけが「キレイなところ」で生きていけないんだろうと思うことはとても苦しい

「ヒガミ、ネタミ、ソネミ」でもいいんじゃないの?
・・・っていうのは、新鮮だ。すっごく面白い。

もうひとつ、ひっくり返して語るマリコさん

私の中で何かが生まれようとしていた。
そのきっかけは、ある日、年上の友人がいったひと言だ。
「あなたは本当にみんなに好かれていいわね」
それは本当に世間話程度の軽いお世辞だったが、私はいつになく強い反ぱつを感じた。
「そ、それは・・・」私は口ごもった。
どう表現していいのかわからない固まりがつきあがってきた。
「私が人に好かれるのは」いいかけてやっと気付いた。「私が人に好かれるのは、私がなにももってないからじゃありません?!」
強い口調に驚いたのは、友人よりも私だったと思う。
その時私は始めて願ったのかもしれない。人に嫉妬されたい、憎まれるほと強くねたまれたい。

「ひがまれて、ねたまれて、そねまれるのも」いいんじゃないの?
誰にでも好かれなくてもいいんじゃないの?

という、そういうところを全然理屈っぽくなく考えることができたりします。
仕事に自信を失った日なんかに昼まで布団の中にもぐりこんだりしながら読むのに
これは本当に「おもしれぇ」と思った一冊です。

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コメント

「ヒガミ、ネタミ、ソネミ」がないのは自己防衛とは考えたことなかったです。

私はその三つにまみれているので(笑)
「自分は何て醜いんだー」って落ち込むこともしばしばなんですが、
自分の痛みに正直だからそうなるんだと考えると少し楽になりそうな気がします。

ミクシィでお世話になっているもえです。
林真理子さんのエッセイ、小説ともに、肩の力を抜いて読める内容だったり、それでいて鋭い視線をもっていたり、ときどき思いこみたっぷりだったり、その格好をつけないところが親しみやすく、よく読んでいます。
ところで、ノラさんもご存じかもしれませんが、この方、有名な万年ダイエッターでもありますよね。
アンアンの後ろのページに連載されているエッセイでは、体重の増減が克明にしるされています。多分アンアンの読者層が関心が高い話題だから、というのもあると思いますが・・・(週刊新潮の方の連載にはそれほどダイエットネタは出てこないので)
とてもいいことだと思うのですが、林さん、おいしいものが大好きなんですね。そして、食べることも大好き。
でも、ダイエット中はそれらをすべて断つ。そしてまた、がっつり食べる、その繰り返し・・・。でもなんだか楽しそう。文章中の食べ物も悪者にはならず、おいしそうに描かれている・・・。そんなところが好きです。
ただ、林さんご本人は、そういうダイエット生活がますます自分を痩せにくくしていることはご存じなのか、それだけが疑問です。
知ってたからって、自分の生き方を変えることなんて、なかなかできないとは思いますが。私も、こちら側の考え方を知ってまだ一年にもならないし、まだまだ頭の中がぐちゃぐちゃなのですが。

おぉうっ!!

>「ひがまれて、ねたまれて、そねまれるのも」いいんじゃないの?
誰にでも好かれなくてもいいんじゃないの?

この文読んで、
私が今ひっかかってるモヤモヤの霧がさっと晴れましたよ◎~

幼い頃から男兄弟の中の一人娘であった私は
一番身近である女性、母に
嫉妬されてる感を持っていました。
「女なのにいいわねぇ、あんたは」という具合に。

私は母の妬みから自分を守ろうとしてたなぁ。
母に気に入られようと必死だったなぁ。。

今、理想の母を投影している
ある年上の女性がいて、
その人から受け入れられたい思いが
強くなって
だけど、拒否されてる感じがして
しんどくなってたところでした。

母とねたみと
ある女性への思い。。
ここらへんが今私の直面してる
キワード。

林真理子さんとあまり関係ないコメですが
色んなおもいをきいて欲しくて
かきこんじゃいました^^ゞ
ありがとう♪

サワさん

いや、私も極論だろ、って噂もありますが(笑)

でも、そいうものって「自分が世界をどう感じているか」の投影であることは確かですよね。
上手に隠しおおせることは「大人である」ということなのかもしれないけれど、
でも「隠しおおせる」をいきなり飛び越して「あっちゃいけない」とまでなると
話飛びすぎだろ、っていうような気も、同じく”まみれ組み”の私にとっては、いたします。

もえさん

こちらこそお世話になってます。
この方、まだダイエットしてらっしゃるんですか。
歴史長いですよね、凄いなあ。
何かダイエット体験本も出してるのかしら、探してみよっと^^

林真理子さんって、贅沢が好きですよね。
「最高に美味しいものへの探究心」が「ダイエット」とバランス取れてるのかもしれないですね。
もしかしたら「うまいものがなんだ、私は痩せることに命を懸ける」ってなると危ないのかも、
とちょっと思いました。

あらたさん

いえいえ、私の記事自体がマリコさんと既にあまり関係ないですもんね・・・(笑)

誰かの気持ちを操作して妬みを消すことってできないんですもんね。
好きな人から妬まれることは辛いけども、
そのために自分の持っているものの何かを捨ててその人に気に入られようとすることでは、
結局誰も幸せにならない・・・って
それはありますね。

むむ。
難しいですけども。書き込みありがとうございます。

antidiet21.com is very the most informative. I loved your blog a lot. Thank you.

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