HOMEアンチダイエット雑談>美女にまつわる二つの伝説

昨日美人画報と美女入門を並べるような感じで記事を書いていて
(参照記事:美女入門レビュー
ふと思ったんですが

巷に溢れる「美女」にまつわる二大伝説、
ってのが、あるよね、というふうなことを考えていたわけです。

ひとつが
「やっぱり美しい人は努力してるのね」ってヤツです。
この言い方はまさに、美人画報、美女入門、どちらにも出てきます。

これ、本当に体験的に考えると
その人がどれほどの努力(っていうか節制っていうか、禁欲っていうか、まあそういうこと)
をしているか、ということと
その人の容姿がどれくらい文化的基準にマッチしてるか、っていうことって
ほぼ無関係なのは間違いないですよね。

例えば、それこそ栄養失調になるまで食べない、ということをすれば
ガリガリの身体になる、というようなことは可能ではあるけれども、
仮にそれをしたところで世間が「あなたこそ美しい」といって諸手を挙げて迎えてはくれるわけではないわけですし。
それどころか「未成熟・わがまま病」とか言われたりするわけで。

「やっぱり美しい人は努力してるのね」というふうに言いたくなる気持ちの背後にある
「自分を殺して努力してないと私は恐ろしい生き物になってしまう」という、
自分という存在への不安感とか
「美しくない人は努力は足りない」という差別意識とかね、
そういうところまで考えるとうーん、というふうにうなるわけですね、私。
なんでそんなに生きにくいところでわざわざ暮らさねばらなんのだ、と。

「やっぱり美しい人は努力してるのね」って一見何か同意してしまいそうな、
うっかり「ああ、やっぱりそうよね」とか言ってしまいそうなパワーがあるんだけど、
なんとなく、うっかり納得してしまいそうなほど女性に受け入れられやすい価値観であるだけに
私は「これは凄くいかがわしい言説だよなあ」って考えてるわけです。


もうひとつ、気になるのがそれとほぼ逆で、ひっくり返した形でいかがわしさが漂う気がするのが
「美しさの秘訣は自然体」ってやつですね。
「特に何もやってませんよー。うーん、強いて言えば水をたくさん飲むようにしてるかなっ。」
とかいう、インタビューなんかによくありがちなヤツですけども。
(「ヘルタースケルター」に、ちょうどこんなシーンがありました。)

しかしながら、
「子供のように体毛がなく、少年にように華奢で脂肪がなく、
赤ちゃんのように白くしみの無い肌をして、思春期の少女のようなような乳房と尻を持ち、
アスリートのような引き締まった体つきをして、実年齢がまったく分からない」という、
今の社会が喜びそうな身体に、いったいどこのどういう人が「自然」になるのか、ってのが、
どう考えても不思議で仕方ないんですよね。
そういう理想にかなり近い形の身体で生まれてくる人もごく少数いるかもしれないですけども、
どっちにしろ手を加えないと文化的要請にはぴったりはまらないでしょうに、
っていうのを、わりと普通に思いませんか?

手を加えるのが悪い、ということをいいたいわけではさらさら無いのだけども、
なんとなく、いいコちゃん的、というのか、
「社会がイメージ的こういうふうに言わせたがってるからこう言ってる」っていうのが
正直なところなのかな、って、私は思うんですよね。

これが「作り出されたイメージ、大衆のための夢、みんなの穢れ無きお姫様」
として存在するのであれば、私も楽しいと思うのですが、
ただマスコミという異常な露出の高さが媒介することで、
普通によくある話、として受け取られだすと、何か怖い、というのか
みんなは何もしなくてもあんな身体なのに、どうして自分だけは違うんだろう、
自分には何か悪いところがあるんじゃないか、
っていう意識を自然と生んでしまうよなあ、って思います。

ごく少数の特異な人だけが自分をイメージの大量生産者である、と自覚して
社会が欲しがる「美のおとぎ話」をせっせと作り、
現実の肉体の中で暮らすそれ以外の全ての人が自分を何らかの異端だと思って
肉体を恥じてじっと隠す逆転した社会って
結構とんでもないんじゃないか、っていうことも思うんですね。

「美女」という言説についてせっせと考える本日でした。

« 「美女入門」レビュー | HOME | 私たちの新世代 »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://darari.sakura.ne.jp/antidiet21/mt/mt-tb.cgi/1665

コメント

こんにちわ。新参者ですが、アンチダイエット仲間に入れていただけるなんて、光栄です♪ありがとうございます。

>マスコミという異常な露出の高さが媒介することで、
普通によくある話、として受け取られだすと、何か怖い、というのか
みんなは何もしなくてもあんな身体なのに、どうして自分だけは違うんだろう、
自分には何か悪いところがあるんじゃないか、
っていう意識を自然と生んでしまうよなあ

そうですよね。私も過食に悩み、痩せたい一心だった頃に、よく女性誌を見ては羨ましく思い「同じ人種で、女性なんだから、ああなれるはず」と信じきっていました。

美しいことが咎められるわけでもないけど、女性であれば「美しく、若くありたい」と思う心につけ込んでいるように思います。さらには女性ならば生きる上での自己実現に、美が必ず入るようにインプットされてしまう。
そういう皆の方向性が「美」に向けられて、かつ血のにじむような(?)努力が要るとさえ知っているところに、

>「美しさの秘訣は自然体」

です。うふふ。
なんて涼しい顔して言われると、メディアのこちら側にいる人間をあざけ笑っているかのようにもとれる。でも私は単純だから「そんな特異な、神様に恵まれた人もいるのねぇ」とため息をつき、やはり「自分には問題があるのだ。」やれ「私は摂食障害者だ」と暗い気持ちになったものです。

「バカバカしい、そうじゃないのよ。私はもっとよりよく、自分自身の人生を生きたいの。でも今は何をしていいか分からないの・・・」
そんな霞がかった気持ちでNOを突きつけたくてもできずにいた、過食時代。少し懐かしい気さえします。

でも今もそれに翻弄されている多くの女性がいるということがまた悲しいです。

すみません。
上記の名なしは、つみきです。

失礼しました。

昔何かの飲み物のCMで、「痩せる魔法はない」といっていて、私はそれを妹に言われ、(私はその時過食の渦中で60キロ以上あり毎日泣いていて、妹は160センチで43キロくらいだった)なんかばかにされたような言い方で、落ち込んだのを覚えています。「努力もしないで食べてばかりいるから太るのよ」って言われてる気がして。

つみきさん

お手本、というのかな、
マスコミという幻想の世界から離れたところでリアルに魅力的に生きる女性のモデル、
というのが、なかなか無いんですよね。
だからマスコミが思いつきで作る女性像のほうが説得力を持ってしまいますよね。

アンチエイジングって・・・なんで年長者が尊敬されないんだ?とかね、
結構不思議なことが色々起こってますよね。

さしあたってつみきさんが迷いながら生き生きと生きていれば
「ああっ、こういう生き方ありなんだっ」って言うふうに
つみきさんの周りから自然と呪縛が解けていくでしょうし。
もう、本当、その辺は結構地味なムーブメント^^
(あ、あたしもやらねば、か。あはは。)

あゆさん

分かります。
顔見られただけで「だらしないから太るんだよ」って思われてるんだろうな、
と思う時とか、ありますよね。

でも「努力」と「体型」が関係するって絶対迷信ですよ。
だって身体は自分のバイオリズムで生きてるんですもん。
生きる上での努力ってそういうところで使うものじゃないですしね。

まずはあゆさん自身が、
努力っていうのは痩せておくことじゃないんだ、とか
ありのままの身体って努力していないことの産物ではないんだ、
っていうのを納得していけるようになったら、もっと身体も心も楽ですよね。

妹さんにも、真意、って聞けないのかしら。
「こういうふうに受け取って傷ついたんだけど、どういう意味で言ったの?」
って、もしかしたら、ぜんぜん違うことを考えてたかもしれないですよね。
もし妹さんがあゆさんよりも痩せている、というところに頼ってアイディンティティを
主張するのであれば、何か妹さん自身も消化できてない苦しみがあって、
それを身体に託して言ったんじゃないのかなあ、って、私は思うなあ。

ノラさんの記事をよんでは‘そーなの!‘ って思ってしまいます。女性の理想像はあまりにも。。。無理!!  雑誌などのモデルさんの写真なんか無茶苦茶にphotoshopしてあるんですから。なんかそれを知ってから自分にきびしすぎなくなったかも。。。あはは。。こんなサイトに載ってますよ。http://www.iwanexstudio.com/
portofolioの写真の上にマウスをのせてみてください。一番最初のペネロペの写真とか。。。すごいですよね。。。
あとこの前のダブのサイトでこんなビデオ見つけました。
http://www.campaignforrealbeauty.com/flat4.asp?id=6909
これだけの努力で雑誌なんかの写真はつくられてるの!私が朝5分で化粧したあとの顔と比べちゃそりゃ別生物ですよ。ビデオの最後に (どおりで私たちの美に対する鑑識がゆがんでいるわけだ。)とあります。

また時間があればみてください。いつも変な日本語で失礼します。

ここさん

いつも貴重な情報ありがとうございます。
また、これも記事にさせていただいてしまいました。

きれいな写真が世の中にたくさんあるのは嬉しいことですが、
どういうふうに作られているのか、ということはわからずに
あたかも私たちが何か努力をすれば「こうなれる」かのように使われているのは、
フェアじゃないですよね。

とっても興味深かったです。

コメントを投稿

          

お気に入り

ダイエットブログランキング
人気ブログランキング

摂食障害関連ブログ
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 摂食障害へ

このブログのRSSを取得
[RSSフィードとは]

○ボディ・フリーイング・サミット○
「身体を解き放つ」ことについて自由に語りあうためのコミュニティです。
ボディー・フリーイング・サミット

掲示板
掲示板作ってみました。