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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)

このブログに掲載するとやや異色な本になるのだけど


私がこの本について知ったのは
たまたまビジネスホテルに宿泊して、のんびり深夜放送を見ていた時で
本当にたまたま見た番組だったのだけど
著者の福岡伸一さんがなんだか面白い話をしていたのだ

それはつまり「生き物ってなに?」
ということに関する話だったのだけど
その中で、実は聞き逃せないひと言があった

「摂取した食べ物はバラバラに分解されてそのまま今ある分子と置き換わって体を作る」
と、いうことを、著者さんは言ったのだな

私はビール片手に
「やっぱ、燃えてないじゃん」
とにたり、微笑んだわけで。

過去に食品カロリーの謎という記事で書いたことがあるのだけど
どうも、「食品カロリー」っていう概念はなんだかよくわからん、
ということに気づいて(気づきの発端は「ダイエットやめたらヤセちゃった」からです)
色々と考えていたんですね。

つまり、「この食品を燃やすと水の温度を何度上昇させることができる」という計算と
私たちの食生活を強迫的に支配する「太る恐怖」との間に
一体どういう関連があるのか、さっぱりわからん、
ということなんですが。

で、私たちがそれについて異常な恐怖を持ってしまうことの主な理由が
それが「さっぱりわからん」からじゃないか。
明らかにインチキなダイエット業界の言うことと
現実の生活の中での実感が違うからこそ
そこから、現実的でない、故のない不安感が生まれるんであり、
要するにその不安については、「もっと良く知る」ことで
なんぼか減るんじゃないかな、ってことを実は考えてたんですが
なにぶん私、ソッチ方面はあまり明るくないわけです。

で、今回たまたまテレビで聞きかじったこのお話。
こういう話を、ちょっと聞いただけで、よく調べもせずに
勝手に自分の畑に持ってきて流用する、ってのは
まったく誠実な話じゃないと思うんですが^^;;
ただ、私が面白かったので
「こういうことも言えたり、するんじゃないの?」
という、わりと無責任な発言であることを事前にお断りした上で
ちょっとコラム的に書いてみたいんですが。

※シェーンハイマーの実験について※

食物がどうやって身体をつくるか、
ということに関する非常に興味深い実験は
ネズミに重窒素で標識されたアミノ酸を含む餌を与える、
という形で行われます。
その後、重窒素の行方を、ネズミの全ての組織と排泄物から調べます。
どうなるか。

予想では餌は生命維持のためのエネルギー源となって燃やされる。
・・・と思われていた。

ところが実際には、燃やされて燃えかすとして排泄されたのは3割程度。
半分以上は身体を構成するたんぱく質のなかに「そのまま」取り込まれていた、
という結果になります。

窒素の含まれない体脂肪についても、重水素で標識することで
同様の実験が行われます。

(エネルギーが必要な場合)摂取された脂肪のほとんどすべては燃焼され、ごくわずかだけが体内に蓄えられる、と我々は予想した。ところが、非常に驚くべきことに、動物は体重が減少しているときでさえ、消化・吸収された脂肪の大部分を体内に蓄積したのである。

脂肪組織はそれまで考えられていたような
大量の仕入れがあったときはそこに蓄え、不足すれば搬出する、
という形でのエネルギーの貯蔵庫なのではなく、
貯蔵庫の外で需要と供給のバランスがとれているときでも、
内部の在庫品は運び出されて、一方で新しい品物を運び入れているのだ、
という結果だった、というわけだ。

生命が生きているかぎり、栄養学的要求とは無関係に、生体高分子も低分子代謝物質もともに変化して止まない。生命とは代謝の持続的変化であり、この変化こそが生命の真の姿である。

難しいですよね(笑)

でも、どうもね、
食べ物は、燃えないでそのまんま、私たちの身体になってる、らしいですよ。
生命活動を営むエネルギーを得るために一部は燃焼
(これももちろん文字どおりに炎でボーっと燃えるわけではなくて、
消化酵素とかによって燃焼に似た反応を起す、って意味)
されるけども、大部分は燃えないでそのまんま細かく分かれて
ピトピトピトっと、今の身体とまるごと入れ替わる、んですね。
燃えないで、身体になるんです。
しかも栄養学的に、余ってる、とか、足りない、とかそういうのとは無関係に
今の状態を保ちながら入れ替わっていこうとするわけですね。
それがずーっと続いているわけです

ほとんどが燃えないままに身体を作るんだから
「燃えたらどんだけの仕事をするか」
という目安である食品カロリーは、
私たちの身体がこの先どうなるか、っていうことと
因果関係ないじゃん、というふうに、
私はビール片手に考えたわけですね。

どうですか、これ。
あってるのか、私の理解(笑)

たとえば飢餓すれすれの状態を続ければ骨と皮だけになる、とか
食べすぎの状態を続ければ身体は大きくなる、とか
それは現実として確かにあるな、と思うんですが
あれは「食品カロリー」のトリックじゃなくて
今までとは異なる食生活を「続ける」ことによって
身体のバランスが組みなおされるってる、って感じしますよね
今日1000キロカロリー分を食べたから、
明朝には1000キロカロリー分太ってる、
とか、そういうレベルの話ではないように見えるわけ

低カロリー食品が大量に売られるようになってから
(知りえる範囲では)別に人類が痩せたわけではないし、
私もついつい「低カロリー」の方に手がのびていた時期と
「まともな食品」の方を好んでかう今とで
体重に差があるか、というと、まあ、
明示的にはまったくないし。
少なくても食品カロリーと体型に因果関係がある、って説は嘘だろう、
と実感として私は思うわけですが。

この本は勿論、そういう食品カロリーとか
人が太る謎、とかに肉薄しようとするものではなくて
「生命って何?」ということに関するかなり面白い科学エッセイです。
そういう主題で書かれたものに対して
ここに私が自分の好きな部分だけ持ってきて
自分の思ってる理屈に当てはめて流用したりするのは
冒頭にも書いたとおりあんまり誠実ではないなあ、と
まったくもってしみじみ思うわけですけどね^^

「食事による摂取エネルギーが、体で消費されるエネルギーを上回ると、
余ったエネルギーは脂肪として蓄えられる」
っていうお決まりの言説について、
もっと色々考えてみるとっかかりがあってもいいかな、とも思ったので
ちょっと気になった実験を紹介してみました。

※ここで紹介した実験は第九章「動的平衡とは何か」に解説されているものです

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コメント

めっちゃすごい!
それ、なんか実感としてあるかもしれません。
低脂肪乳のんでも普通の牛乳のんでも変わりません。
私は、それ信じちゃう。信じるのは自由ですもんね(*^-^)

確かに高カロリーな物を食べても、体重が減っていってたり、
逆に低カロリーなものを食べても体重が増えてたりという現象は私にもありました。
そういう意味でちょっと納得したりです。
いやー、なんかちょっと趣旨と外れてるかもしれませんが…。

みきねこさん

「何が正しいのか」ってのは、結局人生80年の人間にはわかんないわけだから
自分が快適で居られるものを信じるしかないよね^^

食品カロリーという概念は、凄く古いんだよね。
要するに栄養不足の時代に貧しい人たちがどうやって安価な栄養を摂取できるか
みたいなところからもとは出てきた発想であるらしいんだが
(この辺は生半可な勉強です、ごめん)
そういうのに新しい物好きのダイエット業界がぶら下がっていて
その理論だけは死守してるところが、なんかちぐはぐで面白いよね。

なるさん

そうですよね。
そういう「自分の体感」と
「でも高カロリーなもの食べると太るんだぞー」という執拗な洗脳との間の
「?」という気持ちが無駄に恐怖心を煽るんじゃないか、っていう気がするんですよ。

現実的な恐怖心であれば、低カロリーのものさえ食べてればそれで安心すると思うんですが、
あんまり現実にそぐわない恐怖心なので、
カロリー低いもの食べてても、やっぱり怖くなるんじゃないか、って。
それが気になるんですよね。

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