食べ物との普通のおつきあい、を取り戻すまでの物語1
今日は一旦連載中の本の説明からそれます。
私ではない人の文章のご紹介です。
実際にお会いして、お話をお伺いしました。
とても有益な話だったので、ここで紹介したくなり
頼んで書いていただきました。
(誰の文章であるか、ということに興味を持つために掲載するものではありません。)
10代半ばの3年間ほどを制限型の拒食(つまり食べるのを減らして運動するだけで過食嘔吐いっさいなし)で過ごし、なんとなく治ったつもりでいたところ、20代後半に、過食嘔吐で再発しました。
きっかけは、うつ病になったとき投与された抗うつ薬によってあれよあれよという間に5kg太って、ダイエットしなければと決意したものの、食欲はものすごいし、それを決死の努力でがまんして運動もしているのに体重がぜんぜん減らない、という事情に直面したからでした。
食べたものと運動の内容はすべてネット上で日記につけ、夫にも見せることで自己管理しようとしました。
プールにも通いました。
でも体重は増えるいっぽうでした。
「抵抗できずに体重が増え続ける感じ」があまりに苦しくて、食欲に負けて食べてしまってものすごく後悔して、吐くための方法を探しました。
結局、手を突っ込んで吐くことを覚えました。かかりつけの婦人科医に抗うつ薬をもらっていたので、「太ってきました。薬の副作用ではないでしょうか」と抗議しました。
食欲も異常でしたし、努力しても痩せる兆しすらないのはおかしいと思ったのです。
でも、「食べるだけ食べてごろごろしているから太るのです。摂取カロリーと消費カロリーの差が脂肪になるので、それ以外はありえない」と追い返されました。
数年経ちました。
ちゃんとした精神科で薬をもらうようになりました。
薬が変わると「太りますか」と聞くようになりました。
「太る薬」は多かったですけれど、それより鬱の症状のほうがつらかったので、仕方なく薬を飲むようになりました。
薬の名前はネットで調べて、太りやすいかどうか2ちゃんねるまで見て、それはもう一生懸命でした。
学生だったわたしは卒業して就職しました。
結婚もして引っ越しもして、環境は一変したもののうつ症状は一進一退で、調子の悪いときには過食嘔吐をするのも相変わらずです。
わたしの場合は、パンとか揚げ物、スナック菓子を近くの特定のスーパーで買い込んできて、詰め込んで吐くのがパターンでした。
チーズトーストにはまったこともあります。
食パンを買うのがもったいなくなって、パン屋でパンの耳を買うことがしばしばありました。
仕事がつらすぎてダイエットに気を遣う余裕がなくなり、体重計に乗るのをやめました。
就職して半年で、職場の制服がきつくなって、買い換えざるをえなくなりました。
ある秋、レシピ集を探していて、「玄米でらくらくダイエット」みたいな題名の本を手に取りました。
マクロビオティックの本でした。
玄米菜食と言ってもいいでしょう。
もともと、全粒穀物は好きだったので、比較的抵抗なく、マクロビオティックの生活をはじめました。
厳格な玄米菜食です。
玄米をネット通販で買い、圧力鍋で炊きました。
乾物の利用も増やしました。
肉、魚、乳製品、市販のお菓子は食生活から閉め出しました。
マクロビオティックの本も買い集めて、集会にも出ました。
知れば知るほど、動物性食品と砂糖、化学薬品が身体に悪いということが身にしみて、ますます厳格に玄米菜食しなければと心に誓うのでした。
夫にも無理矢理食べさせようとしたのですけれど強い抵抗にあってあきらめました。
あきらめると同時に、自分の中に、夫に「自分が禁止されている身体に悪いものを、たくさん」食べさせたいという衝動がわいてきました。
自分に禁止しているからその反動なのかな、と、悲しく思いました。
夫に不健康になって欲しいわけではなかったからです。
その冬、マクロビオティックの教えにしたがって、薬をやめました。
症状は一気に悪くなり、食べられなくなって少し痩せました。
「やはり薬は身体に悪くて、マクロビオティックは身体にいいのだ」さらに確信を深めました。
そのころ、別の民間療法に出会いました。
治療自体の詳細は省きます。
生活指導が厳しかったです。
家事はすべてきちんとやる、毎日走る、ジャンクフード禁止、愚痴を言わない、昼寝をしない。
治す気があるのならできるはずだと言われました。
自分がだらだら生活して、家事もせず身体を動かすこともせず、昼間に寝るから夜眠れなくて、ジャンクフードばかり食べてその上薬になんか頼るから、どんどん病気がひどくなるのだそうです。
「そんな生活態度では、今すぐダンナに離婚されて当然だ、というか離婚した方が彼のためだとすら言われました。
やればできるだろ、と強く言われてやらされてみると、まあ、それなりに実行できたのでした。
4時起きでがんばりました。
起きて玄米ごはんを圧力鍋で炊いて、それから外を走って、仕事に行って、帰ってきて掃除をして、ごはんを作って片付けて。
イライラしたら床を磨いて。
食べ物との普通のおつきあい、を取り戻すまでの物語1
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