HOME摂食障害の本などのご紹介>拒食症・過食症を対人関係で治す 4

第四章 過食のメカニズム

「むちゃ食い障害」についての記述が出てくるんですが、
著者によると<過食症の人たちとはちがって、「やせたい気持ち」がそれほど強くありません。>という分析なんですね。
ほおぉ、と思いまして。
頂いたメッセージなどを思い出してみると、
「食」や「体型」という点で悩みを持っている人の中にも、
確かにそういう人が居るなあ、と思いました。
「やせたい」と「太るのが怖い」は少し違いますが、
「やせたい」と「太っているのが嫌」というのも少し違いますよね。
たぶん、男性治療者などから見るとこのあたり、全部一緒になるんじゃないかという気がしますが、これは違いますよね。

最近では摂食障害ではない人も、結構このサイトを見てくださっています。
「拒食症」とか「過食症」とか、そういう分類ではないんだけど
「なんか気になって」というところで見てくださっていると思うのですが、
私はそういう声もお伺いしたいですんよね。
「なんか気になって」の「なんか」のモヤモヤしたあたりをね。

このサイトを運営するうえで摂食障害というテーマはひとつあるんですが、
同時にそれを越えたい、というのか、
私たちがアイディンティティをもつのに「何かしらビョーテキなものである」
という必要は全然ないわけですから、
なんというのかな、私たち自身でどんどん摂食障害の
カテゴライズからはみ出していっていいな、ってことを思うんですよ。

っていう前置きを書いていると本書と全然関係なくなってしまいましたね。
まとまらないまま、今日は「第四章 過食のメカニズム」の概要です^^;
(まとめる努力をせぇよ、と。笑)

第四章 過食のメカニズム

1、「食べたい」病気ではなく「やせたい」病気--ダイエットの反動としての過食

拒食症は「やせたい病気」で過食症は「食べたい病気」だと考えている人もいますが、実際はどちらも「やせたい病気」であることに変わりはありません。拒食症の場合は、その結果が「やせる」という形で表れ、過食症の場合は、その結果が「反動としての過食」という形で現れるだけなのです。その証拠に、過食症の人はまともな食事を取らない人が多いのです、過食以外にはほとんど食べていないという人もいます。

2、「ストレス解消」のための過食

最近注目されている摂食障害の一種に「むちゃ食い障害」というものがあります。
ストレス解消の手段として過食を繰り返す人たちのことです。
むちゃ食い障害の人たちは、過食症の人たちとはちがって、「やせたい気持ち」がそれほど強くありません。
自分の体型について比較的正しい認識を持っています。
過食とダイエットを繰り返すことも多いのですが、ダイエットはあくまでも肥満解消のためです。
むちゃ食い障害にも対人関係療法は有効です。

3、「冒険好き」の「心配性」がなりやすい

著者の行った研究から。
「ダイエットをしたことがない人」
「ダイエット経験者」
「過食症の人」
の三つのグループにわけて性格分析をします。
その結果、ダイエット経験者は「冒険好き」のスコアが高く、
さらにその中で「心配性」のスコアも高い人が過食症になっています。

もともとの性格が「冒険好き」の人は
ちまたにあふれるダイエット情報を見て持ち前の好奇心と行動力で実践してみます。

そこにプラスアルファで「心配性」という
もともとストレスの溜め込みやすい性格が重なると
ストレスに晒されたときに「やせたい気持ち」が強まり、
また自分に自信がない人は
「やせれば全てが解決するのではないか」と考えがちになり、
性急にダイエットを進めるようになり、過食に至りやすくなります。

また、「心配性」の性格はダイエットの失敗を気楽に受け入れることができず、
過食を後悔し、さらにストレスをため、「やせたい気持ち」がより強まり、
嘔吐をしたり、別のダイエット法をためしたり、と
どんどん悪循環にはまっていきます。

「心配性」は生まれつきの性格ですが、自分が「心配性」である、
ということをしれば、その結果起こってくるストレスや思考パターンに
対応することが出来るようになります。

ところで「冒険好き」スコアと「心配性」スコアがともに高い、
というのは、一見矛盾して聞こえますが、
ある意味ではこの「矛盾」が病気につながりやすい、ともいえます。

「心配性」は大部分生まれつき決まっていますが、
「うつ」の度合いによってある程度変化します。
通常ストレスがあまりない状態では
「ブレーキ(心配性)」より「アクセル(冒険好き)」の方がやや強い状態でバランスが保たれているのですが、
ストレスが増えるとブレーキが強くなってしまいます。
「いろいろやってみたいけれどもできない」という状態になったときに
「ストレス解消としての過食」は起こりやすくなります。
目標は心のブレーキを弱めて、アクセルを少し優勢にすることです。

まとめると、過食のメカニズムは
「女性はやせている方が美しいとする画一的価値観」という社会因子の上に、
「冒険好き」「心配性」という遺伝的因子があり、
そこに個人的なストレスが加わったときに過食症に進みやすい、
ということになります。

4、過食の効用
過食はストレス度を表すとと同時に、ストレスを緩和するために身体が考え出した自己防御反応であるともいえます。
治療は過食に変わる本質的なストレス対応策を身につけていくことです。
過食のおかげでそれなりにバランスがとれているのですから
治療が進む間は、まだしばらく過食にお世話になる必要があります。

5、過食のエネルギーは「怒り」と「罪悪感」

「心配性」と、低い「自尊心」のために問題解決を避けてしまい、
本来解決すべきところでストレスを解決できずに、自分の中に抱え込んでしまうと
行き場のない「モヤモヤ」「イライラ」は過食に向かいます。
過食を治していくためには、怒りや罪悪感をできるだけ抱え込まないようにすること、
やたらと自分を責める習慣を変えていくこと、また不安があるときにはまわりの人の力をかりて解決していくこと、などが重要になります。

拒食症・過食症を対人関係療法で治す
拒食症・過食症を対人関係療法で治す

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コメント

ノラさんいつもありがとうございます、すごく興味深くレビューを読んできてます。

正直自分も過食嘔吐が最大の恥部であり、最大の娯楽化している部分を認めなくてはいけないと思いました・・・。
頻度は減ったとはいえこれがないと、今のところ生活や心に穴が開いたような気分になってしまうことも。
それを認めて受け入れた上で、治療に挑まなくてはいけないですね。

あと、過食のエネルギーって本当に強大なもので、それって自分への怒りがそれだけ大きいんだなあ・・・と改めて感じました。

本を購入しようかな・・と考え中です(というのも家にすでに結構たくさん摂食関連の本があるので・・)

わぉ・・・と思わず言ってしまいそうになりました。
「冒険好き」の「心配性」は私になんだかピタリと来る感じがしました。
ノラさんの冒頭の

>私たちがアイディンティティをもつのに「何かしらビョーテキなものである」
という必要は全然ないわけですから、
なんというのかな、私たち自身でどんどん摂食障害の
カテゴライズからはみ出していっていいな、ってことを思うんですよ

にはとても共感いたします。
こうやって世界が変わっていくんじゃないかと。(大げさですかね(^^;) )

今本が手元に届くのを待っているところです。丁寧なレビュー、ありがとうございます。

またコメントさせていただきます。私も本書を読んだときにこの「冒険好き」と「心配性」にがっつりあてはまって感心しました。心配性なんですよね。だから、人間関係も色々なことも何もかも怖いですよ。だけど、自分の怖がりっぷりに気づくと本当に違います。親の行動もほとんど怖いんだ、と合点がいったりして。
私も今現在ストレスや不安が多くて、しかも過食以外の楽しみが無いんですよね。
心配性なんだってわかってからは少し勇気出しても大丈夫、って思うようになりました。

「嘔吐なしの過食」と言われているものが「むちゃ食い障害」じゃないんですかね??
ずっとそうだと思っていました(^^;ゞ
記事を読んで色々当てはまってちょっと驚いたのですが、私も「冒険好きの心配性」なんですよね。
自分では、冒険が好きだけど・・小心者だよなぁ・・とか、そんな感じで思っていました。

この本、興味が湧きました。
読んでみます。

ともさん

「冒険好き」の「心配性」ですか。私もそうです(笑)。

心のブレーキは意識して少しずつ外す訓練をしていって、
うまく回り始めれば、アクセルとブレーキのバランスはよくなる、
というのがこの本の方針です。

自分を知っていれば対策を考えることができる、
というのは、とっても理論的でいいですよね。

明季さん

その理解で良いとおもいますよ。
ケースとしては「むちゃ食い障害」で、ヤセ願望が強い、
ということもありうると思います。

お勧めの本です
ぜひ読んで、よかったら感想もきかせてください


つみきさん

いや、大げさなくらいでちょうど良いかと。
ボディ・フリーイングで日本を乗っ取りましょうね^^

お勧めの本です。
よかったら読後の感想もお待ちしてます。

doglin さん

過食って、私もさなかにいるときは恥かしいことだと思っていましたが
今考えると別に恥ずかしいことではないよな、って感じます。
苦しい状況を生き抜くための技術ですもんね。

ご近所の図書館でリクエストだしてみるのはどうでしょうか?
doglin さんも読めるし、doglin さんのご近所の
摂食障害に悩む人も手にとって、少し楽になってもらえるかもしれないし^^

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